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台風による多摩川水害


上の画像は、1974年の多摩川大水害の狛江市の堤防決壊。

 

先週末の台風による被害にお見舞い申し上げます。

 

過去にほとんど台風対策をしたことがなかった私ですが、さすがに今回はヤバいと思い、前日から対策を始めました。怖いのは停電と断水なので、冷凍庫にロックアイスを詰められるだけ詰めて、洗濯物を全て洗濯して洗濯機に水を溜めておきました。調理してから保存できるものは、圧力鍋で調理して保存。で、いよいよピークの夕方を迎え、増水してきた多摩川の状況を中心に情報を集めていました。

 

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、弊社本店所在地は私の自宅で、多摩川から近い川崎市北部登戸地区です。

多摩川水害というと、私よりも年長の方々は、ドラマ『岸辺のアルバム』を思い出すのではないでしょうか。1974年の多摩川水害での家屋流出を背景にしたこのドラマは、被災が対岸の狛江市であり、和泉多摩川駅周辺を舞台にしています。  

ということで、被災後の対岸の水害対策はかなりしっかりしていると思われるので、逆に登戸地区の方がヤバいのかと思いながらいろいろ調べていると、意外なことが分かりました。18世紀江戸時代後半になるまで、登戸とその南西の宿河原は、多摩川の「北岸」だったというのです。現在は多摩川の南西になっていますが、どうやらそれまでの多摩川の本流は、今の二ヶ領用水の辺りにあったとのこと。

二ヶ領用水をご存知ない方に説明すると、川崎市北西部に布田という地名がありますが、ここは、現在は多摩川を隔てて対岸になっていますが、元々東京都調布市の布田と一緒だったところです。そのすぐ南西の中野島も、元々は「中の島」から来ているらしく、多摩川の本流と分流の間の中洲の島のような地域だったところ。二ヶ領用水の本流は、布田から登戸と生田の間、現在の府中街道あたりの低地を通り、その南の丘陵に遮られるように、東名高速のあたりで、現在の多摩川方向に向きを変えて久地(久地も「くじる(えぐる)という言葉からの地名らしい」)あたりで分水されて、一部が多摩川に戻ります。ちなみにこの用水の取水口は下流にもう一つあって、宿河原に堰堤があり、この堰堤が1974年の水害の際、本流を阻害して対岸の狛江市の堤防決壊を助長していたため、陸上自衛隊によって爆破されています。


地名「登戸」は諸説ありますが、丘陵への「登り口」から来ているとの説が有力で、登り始めと言われるだけあって、低地ではあるものの少し高くなっています。前の多摩川から現在の多摩川に本流が変わる間に残っていること、また、本流が変わった方向がより低い東京都側になっていることから、自宅周辺が水没する可能性は低いことが分かりました。堤防も、2001年の多摩水道橋の掛け変えと、さらに五反田川の放水路計画もあって補強されているので、こちらも決壊の可能性は低い。仮に溢れてきたとしても、南西(二ヶ領用水方面)に向かって弛い傾斜があるので、そんなには溜まることなく流れ、水深が高くなる可能性も低いということで、自宅の浸水はあまり心配なく、あとは、断水と停電が怖いだけとなりました。

 

ということで、調理も終わって情報収集しながら、外出できないので、普段やっていないガスレンジ磨きやユニットバスのトイレの床掃除などをして、ちょっと綺麗にできました(普段からちゃんとやれよ、とも思うのですが、ジムトレにも行かなければならないし、そうすると買い物など寄り道してしまうから、なかなか自宅でゆっくりとってないんですよね)。

ちなみに、食料ですが、万一被災したときに供給されるのが、おにぎりやパンと糖質メインになるので(まあ、スーパー、コンビニもパンやカップ麺を中心に品切れしていたし)、私が保存食にストックしていたのは、ツナ缶です。ツナ缶の油は緊急時にろうそく代わりに灯りになります。調理済みは、圧力鍋をフル活用して(圧力鍋の高温高圧調理は殺菌力が高いので、保存性がが高くなるとのこと)、サンマの生姜煮、サバ味噌、鶏モモ肉のさっぱり煮を。その他に、インゲンのお浸し、キュウリとワカメとカニカマの酢の物というところ。あとは、常温でもある程度大丈夫な夏野菜と根菜、卵をストックしました。

夏野菜では、水分が多いナスが若干傷みやすいものの、常温で売場にあったものは、そのまま常温にしておけば、余程の猛暑でない限りかなりもちます。卵もそうですが、一度10℃以下で保存してしまうと、常温に出したときの温度変化で傷みやすくなるので、常温で売られているものをそのまま涼しい台所の隅に置いておくのがポイント。キャベツもしっかりしたものであれば、常温でも意外ともちます。夏野菜、キャベツ、長ネギは加熱しなくても食べられるものが多いので、こういうときに貴重です。あとは、被災時の食事のちょっとお楽しみになればいいかと、青切りみかんをデザートに。

万一停電したときは、冷凍庫から一つずつロックアイスを冷蔵室に入れて、溶けたものは飲料水に使うつもりでした。これで、肉や野菜室の小松菜などはある程度はもつので、カセットコンロで加熱して食べられます。

 

と、備えあれば憂いなし、幸い、今回は無事に乗り切れましたが、いろいろ調べて(野菜の保存は、実家の畑で収穫したものが冷蔵庫に入りきらないことが多いので、実際の経験からですが)、勉強になりました。もちろん、この知識が活かせるような事態がないのが一番ですが。

スタジオにはプロテインパウダーがあるのですが、自宅にもストックはあった方がいいかな、とは思いました。常温保存できる紙パックのジュースがあれば、それで間食にもできるので。

 

皆さんは、どんな備えをなさっていましたか。参考になることがありましたら、是非教えてください。