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オリーブオイル石鹸 作り方

オリーブオイル石鹸と言っても、実は種類があって、今回作ったのは、キャスティール石鹸という、主原料の油をオリーブオイルだけで作ったものです。他に、マルセイユ石鹸(オリーブオイルの他に、パーム油とココナッツオイルを加えて、泡立ちがよく固まりのいいもの)、アレッポ石鹸(オリーブオイルにローレルオイルを加えた高級品)が有名です。 時間は少々かかりますが、理科の実験が好きな方には楽しめると思います。

これに、精製水とハッカ油を後から購入

まずは、材料(価格は税抜です)。

 

オリーブオイル500ml (ピュアオリーブオイルでもいいのですが、今回は業務スーパーで特売のエキストラバージンオイル298円)

 

苛性ソーダ53g (劇物指定なので、購入には身分証明書と認印が必要です。チェーンのドラッグストアでは置いてある可能性が低く、処方箋の取扱がある薬局なら、薬剤師さんがいる時間帯に買えることが多いです。苛性ソーダというと怖い感じがしますが、理科の実験で使った水酸化ナトリウムと言えば、普通な感じがしますね。今回は近所の処方箋もあるドラッグストアで、純度99%の450g入り400円のものを買いました。残ったものは湿気を帯びやすいので、乾燥した場所で保存)

 

精製水180ml (水道水だと塩素が化学反応を起こすし、ミネラルウォーターでは余計なミネラルが邪魔になります。ドラッグストアで500mlで113円。残ったものは腐りやすいので、密閉して冷蔵庫保存)

 

材料はこれだけです。 それから道具

 

ボール大1・中2・小1(湯煎のお湯を入れる大と冷やすのに氷水を入れる中以外は、ステンレスか耐熱ガラス。ステンレスの方が熱を伝えやすいので、温めたり冷やしたりするのに都合が良さそうだったので、今回は中のうちの1つ以外はステンレス。小は取手付にしました。)

 

計量カップ(180mlがしっかり計れるもの)

 

泡立て器たこ焼きお玉杓子(生地を流し込むのに使うもの)

 

型(牛乳パックや柔らかめのプラスチック容器でも。今回は、製氷皿と残りをプラスチック容器にしました。製氷皿は取り出し難かったら割ってもいいような安いもの)

 

量り(ある程度精度が求められるので、小型の精密計量器を買いました。)

 

スティック温度計(キッチン用の油の温度なども計れるもの)

 

量り(639円)と温度計(815円)は通販で送料無料、それ以外はDAISO(ボール大だけ200円。それ以外は100円)で購入。ゴムベラも買った方が良かった。


では、作業です。

 

オリーブオイルをステンレスボール中に入れ、ボール大に熱湯を張って湯煎にかけて、50℃くらいまで温めます。温まったら、あまり冷めないようにしてお湯から出しておきます。

 

ステンレスボール小に精製水180mlを入れます。ボール中には氷水(たぶん水でも大丈夫。)を張っておきます。計っておいた苛性ソーダを、少しずつ精製水に加えていきます。一気に加えると反応熱で蒸気が上がり、この蒸気が強アルカリ性で鼻や喉を傷めるので、危険です。水が濁るくらいだと温度が上がっているので、適度に氷水にボールを浸けて、45℃前後くらいに冷やしますが、温度が低くなりすぎると溶けが悪いです。この作業は、念のため、風通しのいいところで。私は、この作業だけベランダでしました。完全に溶けた状態の45℃前後の水溶液になります。強アルカリで触ると肌も溶かしてしまいますから、飛び散らさないように気をつけて。ゴム手袋をした方がいいですね。

 

オリーブオイルの温度を確認し、45℃前後に調整したら、苛性ソーダの水溶液を少しずつ加えながら、泡立て器で撹拌します。これも強アルカリ性なので、飛び散らさないように注意。全部加えたら、とりあえず、20~30分撹拌して、反応を促します。気温が低くて、あまり温度が下がるようなら、湯煎にかけながら混ぜていきます。

黄色が少し薄くなってやや白くなってきたら、これで、一旦、作業終了。できれば湯煎にかけたまま置いておきます。 最初の頃は30分おきくらい、徐々に間隔を伸ばしても大丈夫ですが、オリーブオイルが分離して浮いてくるのを、適宜撹拌します。温度が下がり過ぎるようなら、お湯を張って湯煎にかけながら進めると、反応が促進されます。

 

撹拌するのに、重くなってきたら、型入れです。重くなった感じだと、泡立て器の混ぜた跡が少し残る感じ。料理なら、ホワイトソースやケーキの生地を流し込むくらいのイメージです。

昨年夏に実家で作ったときは5時間くらいでしたが、今回は約8時間かかりました。ここでたこ焼き用のお玉杓子が役に立ちました。ゴムベラを忘れたので、最後、少し生地がもったいなかった…。今回は300ml分を取り分けて、そこにハッカ油(20ml 649円)を3ml加えてみました。

それは、ミッキーマウスの型に入れた分です。 型に入れたら、当日の作業は終了。

片付けも注意が必要です。石鹸生地がついているボール、泡立て器は、流水にたっぷりとさらしてから、洗ってください。私は、肌が丈夫な方ですが、素手で洗ったら、やはり、少しカサカサになりました。敏感肌の方は、ゴム手袋を忘れずに。

これも気温によるのですが、10日~2週間でだいたい固まったら、型から抜きます。型から抜いたら、大きいものは使いやすい大きさに切り分けて、乾かします。乾燥期間は1ヶ月半から2ヶ月くらい。梅雨時だと乾きが悪くなるので、乾燥している時期の方がいいようです。 私は関東なので、気候を考えると、秋のお彼岸くらいに作業して、秋雨が終わる頃に乾燥に入るのがベストかな。  

余談

今回、なぜ私がオリーブオイル石鹸を作ったかというと、「先月、実家で作った分が、おそらくあまりうまくできていないだろうから」。去年、母がお友達のお嬢様が作ったオリーブオイル石鹸をもらって、使ってみたら肌に合ったとのこと。で、それを使い切ったときに、私にオリーブオイル石鹸を作ってと言ったので、夏に初めての石鹸を作りました。温度計がなかったので、これは、ボールを触って、少し熱いと感じるところで作業。気温が高い時期だったので、まずまずの出来だったようです。

今年も、そろそろなくなるし、完成まで時間がかかるからと頼まれたのですが、母が、肝心のオリーブオイルを買い忘れていたりして、作業時期が遅れ、さらに、作業当日もスケジュールがたて込んでいたので、スタートが遅くなり、時間が足りなくて生地が重くなる前に型入れ。なんとなく、分離しているような気がしています。失敗していると母の機嫌が悪くなるので、保険のために自分で作っておいた次第です。

実は、私、何かやるときに、100点とは言わなくても、ある程度のレベルで完成しないと、納得できずに何回も作る性格です(特に料理)。なので、今回は気合い入っています。それと、大学入試の一次試験が5科目でして(結局、その大学は二次試験で落ちましたが)、理科の選択科目が化学。高校2年の秋までは理系に進むつもりだったくらいで、化学は好きなのです。薬品を使って、ビーカーやアルコールランプ、ガスバーナーなどで、化学反応の実験をする授業が大好きで、結果は分かっていても、毎回、わくわくしていました。