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アミノ酸の話~その2 BCAA(分岐鎖アミノ酸)

高校で化学を選択しなかった方には、ちょっと縁遠い化学式ですね。Cが炭素、Hが水素、Oが酸素、Nが窒素です。タンパク質を構成するアミノ酸には窒素があるのが特徴ですね。

 

前回に書いた必須アミノ酸のうち、ロイシン、イソロイシン、バリンは、見たとおりに構成が似ていて、分岐した構造から「分岐鎖アミノ酸(Branched Chan Amino Acid)」と総称されます。

 

運動などで身体のエネルギー消費に、糖や脂肪からの産出が追いつかなくなると、筋肉を分解してエネルギー源とします(「糖新生」と呼ばれるのが分かりやすいですかね)。それに、利用されやすいアミノ酸が、このBCAAです。ロイシンは脂肪代謝系、バリンは糖代謝系、イソロイシンはその両方に利用されます。体内にあるものを利用するということは、筋肉の分解が進むということですから、それを軽減するために、運動するときに摂取しておくと分解を軽減できるということです。特に、糖質制限中は、体内に糖が少ないため、糖新生が進みますから、それを阻害するための効果が期待できます。

 

が、逆に言えば、糖が足りていれば、そんなに必要がないということ。筋肉などの組織を合成するには、他の6種類のアミノ酸が必要ですから、これだけではアミノ酸スコアとしては0です。

 

さらに、コメや小麦はアミノ酸スコアは低いのですが、一番足りないアミノ酸(「第一制限アミノ酸」と言います。)は、リジンというアミノ酸で、BCAAについては十分な量があります。なので、糖質制限をせずに穀類を摂っていれば、そこからも余っているアミノ酸を転用できるということです。(ちなみに、例えばイモ類は、第一制限アミノ酸がイソロイシンですから、転用はできませんね。)

 

エネルギー産出が追いつかないくらいのトレーニングでも、極端な糖質制限をしていないのならば、BCAAの摂取も大量には必要ないと言えますね。