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もう1つの「トレーナー業」

 すっかりご無沙汰になっていたブログ、コロナ禍での更新は営業活動となりそうなので自粛していたのですが、ならば、春くらいから復活しても、と思われていそうです。ただ、うちは法人が4月決算で6月に申告なので、落ち着かないということもありましたが、もう1つの業務が本格化していたというのもありまして。

 2年前に、元教え子(現・ジムのお客様)のお子さんの高校受験の「国語」指導をしまして、これがまた、しっかりと結果を出せましたので、そろそろ大学受験の…と思っていたところに、予想外の依頼が来たのです。「先生、(企業の)新人研修の『読み書き』の指導をお願いしたいのですが」。いや、私、受験国語の指導はしたけど、企業研修なんて…。でも、新卒なら、まあ、まだ学生みたいなもんだしってことで引き受けたのです。

 正直に言えば、コロナ禍で、うちのようなプライベートジムは低め安定で、経営的に苦しい状態が続いています。アフターコロナで、ボディビルやフィジークの大会が賑やかになり、低価格のフィットネスジムも増えて、フィットネス業界は活気づいているように見えても、うちのような「運動嫌いの方のための、完全プライベートジム」は、もともとニッチなところを狙っているので、そう簡単に顧客は増えません。まして、物価高が進み、健康にかける予算もなかなか増やせない方も多い訳ですから。なので、スポットでも売り上げが増えるのはありがたいこと。実は、会社を設立時の登記の会社の目的の1つに「人材育成のための教育事業」を入れてあります。「フィットネストレーナーの育成並びに紹介および斡旋業務」というのもあるのですが、教育(幅広く受験指導も含めて)に関しては、もしかしたらと思っていた部分がありました。


 4月、5月と1日ずつ、新人研修のトレーナーをやって、これで次はあっても来年か、決算事務を進めようと思っていたところに、再び声がかかりました。「経営幹部、管理職研修の『読み書き』の講師をお願いしたい」と。内容は、新人研修を少しアレンジするくらいでかまわない、と。2日間の「読み書き算盤」研修の初日の「読み書き」です。

 そんな訳で、申告を控えた6月に、経営幹部研修2回(参加者を分けて、もう1回は8月)のうちの1回目、管理職研修2回(同じく、もう1回は9月)のうちの1回目の2日、研修トレーナーの仕事を入れて、申告はギリギリで間に合わせて、7月前半は養生しておりました。養生しながら、8月の次の研修について考えました。内容は決して悪くはなかったと思います。続いて、部門の研修の依頼、これは1日研修で「算盤」なしを、丸々依頼もきていたからです。ただ、私としては、「もっとやれる」って思っていたのです。

 研修の中心になるのは、「読み」で実際の入試の過去問から説明的文章の大問を1つ、「書き」で800字の小論文を3つ、小論文は事後に添削指導付き。小論文も、その企業の詳しい内容は分からないので、JPOPの歌詞から論じるというものです。ただ、企業研修、しかも実務につながるようなものを考えたときに、さらに内容を欲張りたいと。

 私、実は、昔、普通のサラリーマンで事務方の仕事をしているときに、いくつか資格試験に合格しています。小学校のときの珠算2級と、大学時代の行政書士試験は置いても、簿記2級、宅建、ビジネス法務検定2級、ビジネス・キャリア検定の労務管理と企業法務・総務の2級、あと販売士2級なんてものあります。2級どまりなのは、仕事に関係のあるものを、少しだけ試験対策をして受験しているからです。

 経営幹部と管理職研修は2日間の初日なので翌日につなぐことを考え、部門の研修は1日なので、「算盤」部分もそれぞれに応じて加えました。簿記の仕訳と貸借対照表と損益計算書の基本、さらに、社会保険料と労働保険料の労使の負担にも触れ、部門の研修では原価計算の基本まで詰め込んでいます。

 もちろん、私の講座は、国語を教えていたときもそうですが、基本的に「巻き込み型」。ただ、座って聴いているだけ、なんていう講座はしません。発表、それに対するコメント、で口を動かしていただくだけでなく、途中は動いてもいただきます。そういうときに役に立つのは、高校・大学時代にやっていた市の社会教育活動の「子ども会のお兄さん」の経験、あとは、ご乱心と暗黒時代の「飲んだくれ」経験も、大いに役に立っています。

 具体的な研修の内容は、字数の関係で(ってことにして)省略しますが、とにかく、私が人生で学んだこと、経験したことをフル稼働しての研修「トレーナー」です。


 私、思うのです。「どうして苦手だったこと」を教えることになるのか、と。国語は中学時代までは不得意科目(なので、現代文ですが)、言わずと知れた体育嫌いの駄デブ、そして、会社組織からもはみ出して一人で仕事をしている。それが、国語を教え、トレーナー業を本業にし、今、企業研修のトレーナーまでやっている。それを「流されるままの運命」と言ってしまえばそれまでですが、「苦手だった、嫌いだったからこそ、分かる、だから、教えられる」ということもあるのかもしれません。

 まあ、もう1つの「トレーナー業」の仕事は、10月、11月は1日ずつなので、そろそろ本業に重心を戻さなければ…(来年の春以降のことは、鬼が笑うから、今は考えない)。

 ということで、また、気分次第で、ブログもボチボチ更新していきます。引き続きよろしくお願いいたします。