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肥料と農薬


「更新サボってるなぁ」ということで、申し訳ないです。やっと落ち着いてきたコロナ禍。ということで、久々の更新です。

 

昨シーズンの夏?秋のベランダ菜園の成果は、小玉スイカが予想よりもよく、テーブルミニトマトは前年並み、インゲンとキュウリは問題発生したもののそこそこ、ミニナスは全然、シシトウが大健闘となりました。夏後半になると、太陽高度の関係で背の高いものが有利なので、低いものは前半に勝負しないと、というのが反省点。

今シーズンは、テーブルミニトマト、キュウリ、インゲン、小玉スイカ、ミニカボチャの種蒔きでスタート。ゴールデンウィーク明けに気温が上がってきたところでシシトウ。さらに、何と、根元が生き残ったミニナスとミニトマトは冬越しのまま、再利用しています。さらに、コンパニオンプランツってことで、キュウリとミニナスの隙間に枝豆、インゲンの根元にルッコラと、追加の種蒔きを。


物価高騰のおり、ベランダ菜園は野菜調達の手段ともなるのですが、実際問題として、単に野菜を調達ということだけを考えると、高値でもスーパーで買った方が安いのです。

理由は、タイトル通り、肥料と農薬の費用がかかるからです。種だけならば、十分に元を取れるのですが、諸々の費用は馬鹿になりません。プランターは、昔、自宅で使っていたものをスタジオに持っていきました。土も、8割以上は、そこに入っていた土を再利用。それでも、腐葉土や培養土をDAISOで買い足しています。蔓ものの支柱は、何本かは自宅から持って行って、長いものはホームセンターで購入、ネットはキャンドゥで購入しています。

肥料は、単純な化成肥料はDAISOで買いました。ですが、化成肥料だけだと、途中で問題発生。化成肥料は、窒素、リン、カリを等量ずつ含んでいて、ほとんどの植物に対応するのですが、夏野菜についてはちょっと困ったことがあるのです。窒素は葉肥、リンは実花肥、カリは根肥と言われ、効能が異なります。実家では、それなりの面積があるので、キャベツなどの葉物、大根やカブなどの根物、それから、キュウリやトマトなどのなり物とローテーションしながら育てるので、化成肥料の成分を、ある意味バランスよく消費するのですが、面積がないプランターで、効率的な栽培だとなり物に偏るので、窒素が余って、リンが不足に。特に蔓ものは、窒素が多いと蔓ボケと言われる、繁るばかりで実がならない状態になります。ということで、インゲン、キュウリ、小玉スイカは、そこそこ繁ってきても実のつきが悪いので、JAの販売所でリンカリ肥料を購入することになりました。

さらに、新橋なら害虫や病気は少ないだろうという予想に反し、出るわ出るわ…。開業翌年からのハイビスカスも、たまにアブラムシがついたことはあって、これは食べるものではないから、実家からオルトラン粒剤をもらってきて、それで対応していました。しかし、美味しいものが好きなのは、人間も害虫も同じ。アブラムシ、ハダニ、ハモグリバエ、アオムシ、オンシツコナジラミ…。それと、ウリ科の大敵、ウドンコ病。初めは、家庭用のスプレー剤のカダンDXで対応していたものの、それなり量を使うので、かなり不経済に。そこで、来年以降も考えて、実家でも使っている希釈する農薬を通販で購入。まずは、アブラムシとウドンコ病に効く殺虫殺菌剤。それに、で、ハダニ、ハモグリバエ、アオムシ、オンシツコナジラミに効く殺虫剤をJAで、さらに、アブラムシとオンシツコナジラミに効く殺虫剤とウドンコ病に効く殺菌剤をホームセンターで。できるだけ、適応作物と適応害虫の幅が広いもので、使用制限が少ないもの(収穫前日まで使用可能で、収穫までの使用回数制限ができるだけ多いもの)を選びました。

特に困ったのが、オンシツコナジラミ。実家の畑では見かけたことがないのに、新橋のベランダでは大発生。収穫前日まで使用可能な農薬は、浸透移行性がないので、直接噴霧しないと効果が下がるのですが、ちょっとした揺れでも飛び回るオンシツコナジラミにすべて噴霧はできません。やむを得ず、浸透移行性のある殺虫剤をJAで買い足すことに。希釈する農薬は、1,000~3,000倍にするので、1回に使うのはせいぜい多くても1ml。同じものを年に5回使うとして20年分以上、死ぬまで使える(いや、その前に引退しているかも)。ちなみにオンシツコナジラミは、農薬だけでは抑えられず、物理攻撃(黄色のネバネバテープをぶら下げて「ゴキブリホイホイ作戦」と、ハンディ掃除機で吸い取り。掃除機の中が恐ろしいことに…)もしました。スタジオのベランダ菜園は、ほぼ毎日様子を見られて病害虫が早めに分かるので、対応がしやすいのは確か。ですから、被害は最小限に食い止められます。


鮮度の高い安心な野菜を食べられるというのももちろんですが、日々、成長する姿が、コロナ禍の夏の、精神的癒やしになってくれるのが大きかったです。

今も、世界には、恐ろしいこと、悲しいことが満ち溢れています。思うようにならないことも多く、それでも、進んでいく季節の中、頑張って成長してゆく野菜たちを眺めることで、心の平穏を取り戻しているような気持ちになります。