近くて遠いもの。
宮のべの祭。思はぬはらから、親族の仲。鞍馬のつづらをりといふ道。師走のつごもりの日、睦月の一日の日のほど。
『枕草子』でも、近くて遠いものに、大晦日と元日の間とあります。それと「宮のべの祭」とあるのは、
正月と十二月の最初の午の日に行われた祭りで、1月から12月までは同じ年でも遠いし、12月から1月は近いけれど年が改めるという感じで遠い。
徒然草でも、「折節(おりふし)の移り変るこそ、ものごとにあはれなれ。 」の章段の最後の大晦日の夜から元日の朝への思いに、
かくて明けゆく空のけしき、昨日に変りたりとはみえねど、ひきかへめづらしき心地ぞする。大路(おおじ)のさま、松立てわたして、はなやかにうれしげなるこそ、またあはれなれ。
明けていく空の様子は昨日と違う様子は見えないけれど、気持ちとしてはちょっと違って素晴らしい感じがする
というのは、初日の出を見る現代の人々と同じですね。
さて、今年最後のブログとなりました。
来年は、ますます、いろいろなことに挑戦したいと思っております。より一層、精進してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。