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トレハロースと麦芽糖~糖類の話


トレハロースの構造式

麦芽糖(マルロース)の構造式


「オース(ose)」が最後に付くと、糖の名称であることが多いのですが、日本語で「糖」と付いた名称がないと馴染みがないので、合成甘味料と思う方が多いと思います。トレハロースもその1つ。ですが、トレハロースは自然界に普通に存在する糖で、ブドウ糖2つが結びついたものです。ブドウ糖2つというのは、水飴の主成分の麦芽糖(マルトース)と同じ構成なのですが、結びつき方が違います。ちなみに、砂糖の主成分のショ糖(スクロース)はブドウ糖1つと果糖1つが結びついたもので、トレハロース、麦芽糖と同じく二糖類となります。

ブドウ糖は、そのまま、筋肉や脳などでエネルギーとして使えます。果糖は小腸で代謝してエネルギーとなりますが、余剰分は一度、肝臓で代謝して、最終的にブドウ糖に変換しないと、エネルギーとしては使えません。果糖は、血糖値はそれほど上げないのですが、糖化作用が強い(AGE 終末糖化産物、代謝が遅くなった体内組織のタンパク質を作る)ので、身体の老化を促進します。ということで、果糖はアンチエイジングについてよろしくない、片やブドウ糖は過剰に摂りすぎると血糖値を上げすぎる、そうは言っても、甘いものも全部我慢は厳しい、という悩ましい問題になります。

トレハロースの優れているところは、すぐにブドウ糖に分解されずに、小腸でゆっくりと反応すること。麦芽糖が簡単にブドウ糖に分解されるのに対して、血糖値の上昇が緩やかになります。ということは、筋トレ直後に筋肉の分解を抑え、回復を促すなら、消化の速いホエイプロテインとブドウ糖、麦芽糖の組み合わせ、間食の代わりにするなら、消化の遅いカゼインプロテインとトレハロースの組み合わせがいいということになります。

で、宣伝ではないのですが、「やりおる、savas!」。コンビニでも置いてある、meijiのsavas MILK PROTEINのメインの甘味料はトレハロースです。おそらくですが、ホエイと書いてないので、このプロテインは普通に乳タンパク(カゼインと少量のホエイ)だと思われるから、この組み合わせは間食として理想。1パック15gのタンパク質は、この値段のプロテインドリンクとしてはまずまずのコストパフォーマンスです。

ちなみに、私のトレーニング後の、DNSのプロテインドリンクと大福の組み合わせですが、DNSのプロテインドリンクはホエイ100%で糖質0なので、ここに大福を組み合わせてブドウ糖を摂ることを目的としています。餡に含まれる砂糖は仕方ないとして、いつも食べている大福は、麦芽糖、砂糖、水あめの順での甘味です。水あめ(還元水あめを除く)の主成分は麦芽糖なので、果糖は少し抑えられています。

果糖を控えて、ブドウ糖系の甘味料にすることで、老化を抑えられるなら、果糖系の甘味料を控えればいいということになるのですが、残念ながら、ブドウ糖系の甘味料にも欠点があります。それは、果糖に比べて甘味が弱いということです。なので、同じ甘さにするには量を増やさなければならず、そうするとカロリーが増えてしまいます。そこで添加されるのが合成甘味料になる訳ですが、合成甘味料については賛否いろいろありますね。近日中に、また改めて、合成甘味料についての私なりの考察を書きたいと思いますので、今回はここまで。